真空パックAVに関する言論
今回のことはちゃんと追っていた人しか経緯をわかってないと思うので、いかに一部の表現規制反対派が人命を軽視し、また個人的な好き嫌いで物事 を判断しているか簡単に記しておく。
ツイートの引用は問題ないと認識しているがもし不備があったら指摘していたたければ改稿する。
まず発端となったのはバンドハラスメントのCDジャケット。
その①
— バンドハラスメント (@BAN_HARA) 2017年9月1日
《2nd single リリース決定》
《人間を真空パックに》
10月4日(水)に2nd single
「解剖傑作」のリリースが決定。
フォトグラファーハル氏とタッグを組み「愛を閉じ込める」をコンセプトに女性を真空パックに閉じ込め、息が吸えない数秒間をジャケットに。 pic.twitter.com/NXeof564em
これについて、危険なのではないか、どういう安全措置が取られているのか、安全措置があるならそう明記してほしいとの意見が出る。
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その流れで「真空パックのAVあるよ」とリプライで教える人が現れる。
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太田弁護士検索する。
まずこれが大前提なので「わざわざマニアックなAV検索する女弁護士ww」とか言ってる人は他人を嘲る前に自分の情報リテラシーの低さを顧みてくれ。
そして騒動の発端になった太田氏のツイートがこちら。
「真空パック アダルトビデオ」で検索して吐き気。仮に作り物であったとしても、あれに性的に興奮するのは猟奇的。猟奇的な嗜好も内心に留まるなら自由だけどその嗜好が表出した表現物には恐怖を覚えるとしか。本当に真空パックにしているなら即刻全現場でやめるべき。死人が出かねない。
— 弁護士 太田啓子 (@katepanda2) 2017年9月3日
「吐き気」「猟奇的」「恐怖を覚える」
太田氏の感想。何を思おうが太田氏の自由。というか人が苦しんでる映像見て嫌な気持ちになることを何故批判されるのか。ホラー映画見て「怖いし気持ち悪い、私は嫌い」って言ったって「お前はホラー映画愛好家を差別してる!」とはならない。
「猟奇的な嗜好も内心に留まるなら自由」
嗜好自体は非難しないよという表明。
「本当に真空パックにしているなら即刻全現場でやめるべき。死人が出かねない。」
人の呼吸を強制的に奪ってるなら危ないからやめろという指摘。
これに対し様々な反発が相次いだが、興味深いのは普段リベラル寄りと思われる女性言論者が批判したこと。
こなたま氏のツイート
太田弁護士の「真空パックAVで検索してみた」は、嘲笑って大喜利にする前に、「彼ら/彼女らは、戦術を変えてきた」というのをしっかり認識して注意しておくのが必要じゃないかな。味方の少なそうなニッチな表現を狙い撃ちして、「即刻全現場でやめさせる」という実績作りをしようとしていると。
— こなたま(CV:渡辺久美子) (@MyoyoShinnyo) 2017年9月4日
太田氏は一般に理解されづらい真空パックAVというマニアックな嗜好をかわぎりに個人的に気に入らない表現を全て規制したがっている、それゆえ真空パックAVへの弾圧も許してはいけないという立場のようだ。
このようなこなたま氏の発言に対し、「本当に真空パックにしているなら」と限定しているので全否定ではないでしょうというリプライがいくつかついたが、
太田弁護士はそんなフェアな期待(公平な前提条件を設定した上で業務の継続を認める)ができるような人じゃないですよ。今までの言動からそう信じられるからここまで危ぶまれるわけ。安全対策を講じても、「死ぬ確率が0ではない」のだから駄目だと言うでしょう。 https://t.co/plkIS94SOb
— こなたま(CV:渡辺久美子) (@MyoyoShinnyo) 2017年9月5日
で、太田弁護士の主張には「犯罪性の確認、安全対策の有無の確認」まで含まれているかというと、「彼女のこれまでの性的表現への憎悪を見る限り、そんな常識的な期待はできない(信用できない)」って言ってるんです。これ以上はもう話しません。 @yori_serious
— こなたま(CV:渡辺久美子) (@MyoyoShinnyo) 2017年9月5日
要するに
太田氏が信用できない
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太田氏が「本当に真空パックなら」と留保した発言をしようと、その発言自体が信用できない
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太田氏は問答無用で規制しようとしている
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規制派の太田氏に騙されてはいけない。敵は戦術を変えてきた。
ということだ。太田氏が嫌いなあまり太田氏の実際の発言を一部消去し、言ってもいない意図を付け加えている。太田氏が将来あれもこれもと特に危険でもないものを規制しようとしたときに反発すればいいのであって、規制派の太田氏の言うことは全て信用ならないとするのは、盲目的に信じるのと同じことであり、それはそれで太田氏に振り回されている。
こなたま氏に「あとはまかせた!」と言われた柴田絵里氏も同様の「結局自分が気に入らないから嫌なんでしょ」論。
「真空パックされたい」という欲望を持つ人だっています。「事故が起こらないようにすべき」という意見は同感ですが、メジャーではない欲望に「猟奇的」「やめさせるべき」と「悪」のレッテルを貼るのは、セクシュアリティの多様性に不寛容で差別です。https://t.co/xuXK6bhSdG
— 柴田英里 (@erishibata) 2017年9月4日
ある時は「同性愛者」、またある時は「両性愛者」、「トランスセクシュアル」「ペドフィリア」etc.様々なマイノリティたちが、「不道徳的で猟奇的」「気持ち悪いから辞めさせるべき」という理由で排除されました。太田啓子弁護士は、「自分のお気持ち」によって、それと同じことをしている。
— 柴田英里 (@erishibata) 2017年9月4日
ちなみに話題になったことで真空パックAVを探した方のツイートによると既に「嫌がっても二分以上パックし気絶・失禁するまで放置」という危険きわまりない代物があるようだ。真空パックフェチに詳しい方は、愛好家は専用の器具を使って安全に気をつけてやるのでこの動画のように布団圧縮機でやるのはダメと仰っていた。どうも基本的には「ぴたっとした感触を楽しむ」あるいは「苦しい状態が快感」というもので双方の信頼によって成り立つが(とはいえ危険性はある)、女性が苦しむのを主目的としたAVだと安全性がおろそかにされることがあるようだ。
人が死にかねないことするなと言っただけで「表現の自由を守れ!」「セクシャルマイノリティを差別するな!」とわけのわからぬ批判が飛んでくるのは不思議である。
問題視された上記のAVさえエロ無罪で擁護する方がいてびっくりしたのだが、これは表現の自由とか性的多様性とか男女差別とかそんな次元ではもはやなくて、刑事事件だ。殺人未遂が行われているならやめろという話。これを擁護できるって、ちょっと信じがたい倫理観だと思う。本当に法治国家に住んでおられるのだろうか。
こなたま氏に関しては普段良識派のはずの方が道理に合わないことを仰っているのに危機感を感じて取り上げたが、もちろんその他の大多数のエロ無罪派はより過激で露骨に人命を軽視し、「死人が出てから罰すればいい」とのたまい、ガンガンやれと言ったそばから「じゃあお前が真空パックされれば」と言われたら「十分な報酬があれば」「安全配慮があれば」「でも俺は相当金を積まれない限りゴメンだけど」と見事なダブスタを披露していたことも記しておく。安全配慮されている様子もなければ記載もないから問題視されているのだ。
何人か危惧しておられたけど、多分このエロ無罪派、AV女優を人間だと思っていないし、もしかしたら犬猫より下に見ている。猫虐待動画犯人の逮捕に抗議した人はいなかった。
あと最近話題になっていた、「童貞。をプロデュース」で監督から性的強要をされたという男性もおおむね同情的な目を向けられていた(とはいえ「男への性的強要は笑いだろ」というそれはそれで地獄感溢れるコメントもあったので辛い)。
人間はみんな人格があり人権を有しているということをよく考えてほしい。
表現の自由は犯罪の免罪符になるわけではない、ということはわかっていると思うが……わかっているよね? わかっていてくれ。祈るような気持ちだ。
「危険そうなAVは心配になってしまって観られない」という声もあったのが救い。
なお個人的な見解としては愛好家は好きにすればいいと思うし真空パックAVも「呼吸穴確保」「CG」「苦しくなれば中の人が自分で出られる」など実質的に真空パックではないならアリだろう。AVが商売で女優がお仕事でやっている以上、趣味でやる愛好家と違って死にかねない業務はさせるべきではない。